「心の病気」予防の方法 ・・・ 負のプロセスを切る方法
今回は、「心の病気」の予防方法、つまり発症にいたる負のスパイラルを切る方法について考えてみます。
「心の病気」の発症プロセスを下記の図に示します。(再掲)
「心の病気」を予防するには、この負のスパイラルを切る対策が必要です。
その方法を見付けるために、各プロセスがおきる私たち(ヒト)の仕組みを調べ、
対策を考える必要があります。
*** プロセス毎の予防策の考え方
プロセス1は、”「心」は少しでも黒い(悪い)グレーなことを、無意識に真っ黒と認識する特性あり”です。
「無意識」が間違っても死なないように悪いほうに認識する特性、これを変えるのは簡単ではなさそうです。
場数を踏んで、この程度のことでは大丈夫という経験をたくさんすれば、悪さの程度(グレーの度合い)を正しく認識できるような気がします。
プロセス2は、”「心」は未来の悪いことを何度も繰り返し予測し、一つのことに捉われて不安感情を増幅させてしまう傾向あり”です。
こんな経験、私もあります。意識できることなので対策で出来そうな気がします。悪いことを考える時間をなくすため、別の楽しいことをするとか、運動するとか効きそうですね。
プロセス3は、”不安だと些細なことも気になり、無意識に身を守るための「防御反応」が頻発する”です。
不安をやわらげることが対策だと思います。誰かに相談して、大丈夫と言ってもらうといいかもしれませんね。 また、おんなじような体験をした人の話を聞いて「自分だけではないんだ、仲間がいるんだ」と思うことも効きます。
プロセス4は、”緊急防御反応は緊急事態に不要な睡眠、食事などを抑えるため、疲労が回復せず、エネルギーも不足する傾向あり”です。
たしかに、緊張すると眠れなくなります。仕事が気になってなかなか寝付けなくなります。こんなときは緊張を解くために、好きな音楽をかけるとか、アロマとか効きそうですね。
心身のエネルギー不足にならないためには、良質な食事は必須ですね。身体が受け付けなくても、スマホの充電だと思って必ず規則的に食べる必要があります。
ちなみに、脳の電池(肝臓のグリコーゲン)は、12時間で切れるそうです。夜7時に夕食を食べたら、朝7時には充電が切れます。朝食抜きは電池切れ状態です。
プロセス5は、”疲労とエネルギー不足で脳の処理能力が落ちると、思考が単純になる、周りが見えなくなる、役割を切り替えられないなど、「心」が弱くなってしまう”です。
これは、プロセス4の対策で防ぎましょう!
*** 心の能力向上
日ごろから、思考を単純にしないでよく考える能力、周りを良く見る能力、複数の役割を切り替える能力などを鍛えておくことが有効ですね。
プロセス1のところであげた、場数を踏んでこの程度のことでは大丈夫という経験をたくさんすることも重要です。これらは、心の能力向上と考えることも出来ます。そのためには「心の病気」発症プロセスの体験も役に立ちます。
しっかり対策して「心の病気」にならないようにするとともに、この体験が心の能力を向上させる、役に立つものと考え前向きに対応しましょう。
*** 自分と周りの人のために行動しよう!
睡眠不足が2、3日続いたら、自分がこのプロセスに該当しないか、ちょっと考えてみましょう。周りがみんな悪く見える、いつも悪く思える、気が付くとうまくいっていない仕事のことばかり考えている、上司が敵に見える、食欲がない、など思い当りませんか?気を付けてください。
自分の周りの人で、何か気が付いたら声掛けしてみましょう!
続く