無意識と意識（心）２つのプロセス ・・・ 環境に即応する無意識、情報を統合してゆっくり考える意識

　この図は、無意識と意識２つのプロセスを説明した図です。

　＊＊＊　無意識と意識　＊＊＊

　私たちは生きるために、周りの状況を知覚し、感情で判断し、身体をどう動かすか決める情報処理のプロセスを行っています。このプロセスには、無意識プロセスと意識プロセスの２種類があります。

　速いボールが飛んできて、勝手に身体が動いて頭をかわす時には、無意識プロセスが動いています。

　お昼にメニューを見ながら、今夜は焼肉屋さんで宴会だし、一緒に食べる友人も麺のコーナーに向かったし、秋はきのこがおいしいから、昼は軽めにきのこそばを頼む時には、意識プロセスが動いています。

　＊＊＊　脳は超低速な巨大ネットワーク　＊＊＊

　私たち脳の 処理速度は、パソコンに比べてものすごく低速です。パソコンのCPUの処理速度はギガヘルス単位、つまり1秒間に10の9乗回演算が出来ます。私たちの脳は化学反応が含まれるため１秒間に１００回ぐらいしか演算が出来ません。パソコンの信号伝達速度は１秒間に２０万キロメート進みます。脳は１秒間に速くても0.1ｋｍしか進みません。

　しかし、私たちの脳には細胞が大脳に２００億、小脳８００億存在し、それぞれが情報処理を行っています。パソコンに比べての超巨大なネットワークを構成し活動し続けています。すごいです。

　＊＊＊　無意識プロセス　＊＊＊

　こんな遅い処理速度の脳が、環境に即応するために行っている方式が、並列分散処理プロセスです。多くの処理装置が並列でバラバラに、単純な処理をして結果を出す方式です。何か猛スピードで頭に近づいてきたら、「ぶつかる＋痛い」ことを予測し、何でもいいから頭を動かす、これだけの処理をします。まさに、考える暇はありません。

　野生の弱肉強食の環境では、「即応」速さが生きる道です。すばやく逃げる、すばやくエサを捕まえる、この無意識プロセスで生きています。感覚器官や筋肉と直結していて短時間で、入ってきた刺激に対して自動的に身体は動くのです。この無意識のプロセスが生きるための基本的なメインプロセスです。時間をかけて考えていては生きてはいけないのです。

 　＊＊＊　意識プロセス　＊＊＊

　命の安全が確保されて時間のゆとりがある場合は、ゆっくり考えることが出来ます。これが意識プロセスです。多くの情報を統合してゆっくり考えるこのプロセスは、進化の過程であとから出来たサブプロセスです。ゆっくり考えることで、種として生き延びる確率をあげるために、遠い未来を予測して準備することが出来るようになりました。広い世界を見渡して、大きな視野でものを考えることが出来るようになったのです。この意識プロアセスを狭い意味での「心」ということが出来ます。

　＊＊＊　日記記憶と人生　＊＊＊

　エピソード記憶（日記記憶）は、無意識に環境に即応する際は使えませんね。考える暇も無いときに、昨日は何があったかなと思い出したりしません。即応時には、辞書記憶（A→次に起こるのは→B＋感情）を使った短時間の予測で身体を動かしています。この辞書記憶は、比較的個人差の少ない内容です。

　エピソード記憶（日記記憶）は、ゆっくり考えるときに使っています。比較的個人差が大きな記憶です。過去に、自分が何をしてきたのか、どんなエピソードを経験したのかを考えて、この後何をするかを決め手います。

　この日記記憶がなければ、自分がどんな生き方をしてきたかの記録はありません。この日記記憶こそが自分を自分として識別する記憶のようです。

意識はこの日記記憶を使って、自分の識別し、人生を記憶しているようです。

　＊＊＊　自分と周りの人のために行動しよう！　＊＊＊

　人間がどんな行動をするかは、無意識と意識（心）２つのプロセスで決まっているんですね。生きるためのメインプロセスは無意識ですか・・・。意識はいろいろ未来をシュミレーションして、人生を考えているんですね。

　周りの人の行動を見るときに、これは無意識の行動か意識の行動かよく見るようにします。人間関係を良くするのになにか役立つかもしれません。

　自分の行動も、無意識でやっている事が自分の素が出ていて楽ですし長続きしますね。意識してやっていることは疲れるし長続きしません。やっぱり無意識がメインプロセスのようですね。

　友達は、意識しなくても楽にいられる人を大切にします。！

続く　（2016/11/6更新）