意識(心)はぐるぐる回りやすい ・・・ 身体性を省略したシミュレーション回路
この図は、意識(心)のプロセスをモデル化したものです。意識は入力と出力を省略した回路で、シュミレーションする(考える)ことが出来る形になっています。
*** 意識の回路、無意識の回路 ***
図の黒い線が無意識プロセスの回路をあらわしています。身体感覚を入力し、脳で判断し、身体運動を出力します。その結果をフィードバックして、また身体感覚として入力する回路となっています。
これに対して、赤い二重線の部分が意識(心)の回路を表しています。入力と出力つまり、環境の認知や身体を動かすことを省略してシミュレーションする(考える)ことが出来るようになった回路です。現実を省略できるので、ぐるぐる高速で回ることが出来る形になっています。
*** 大脳新皮質でシュミレーション ***
このシュミレーションは、進化の後から出来た大脳新皮質で行われています。大脳新皮質は、感覚器や身体と直結していません。大脳新皮質は感覚器や身体と直結している旧脳(小脳、脳幹など)を被うよう進化した皮、付加装置です。
私たちヒトでは、この大脳新皮質がどんどん大きくなって、旧脳の体積よりも大きくなってしまいました。ヒトはこの考える機能が多数派となりました。まさに「我思う、ゆえに我あり」です。
霊長類は仲間の助け合いで生きる社会的な生き物です。その環境ではこの考える機能が生きるために有利だったので、大きく進化したのだと思います。
ちなみにこの理屈だと、大脳新皮質がない爬虫類には意識は無いことになります。哺乳類はどうでしょうか?
*** 意識(心)と無意識の意味 ***
脳を持つ動物は、環境を感じてすばやく予測、反応して、敵から逃げ、エサをとって生き延びて来ました。
私たち霊長類は、それに加えて多くの情報を統合してゆっくり未来を考えるプロセスを手にいれました。
そのプロセスが言葉を手に入れて、自分(我)を意識(心)と名づけたのです。自分以外の考えることが出来ないプロセスもあるので、区別が必要だったから名づけたのでしょう。自分ではないプロセスは「意識ではない=無意識」と名前がつきました。
*** 自分と周りの人のために行動しよう! ***
考えることは、仲間同士で助け合う社会的環境では、生きるために有利に働く機能なんですね。人間関係をうまくやるには、ゆっくりよく考えることが大切なんですね。
良い人間関をつくり、継続するために、人の話をよく聞く、考えないで反射的に言葉を言うのをひかえる、ことにします。
続く (2016/11/6更新)